園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

【小さなヒント014】保育園でどのくらいの時間を過ごすのが子どもにとっていいの?

(2015/12/16に書いたもの)

保育園を利用している方の家庭の状況や就労状況は様々です。なので、それに合わせて保育園で生活する時間の長さも子どもによって様々なのが現状です。朝早くから夜遅くまで保育園で過ごしている子もいれば、朝はゆっくり登園し夕方も割と早い時間に降園する子もいたり、といった感じで。子どもたちのそのような様子を知って、「家庭で過ごす時間が短くて保育園で過ごす時間の長い子はかわいそうですね」と外部の方から言われることがあります。確かに小さい子ほど長時間(10〜11時間の場合も)保育園で過ごすことは大変なことかもしれません。でもこれって仕方のないことですよね。どの親もそのことは分かっていて、だからこそ悩みながら子育てと仕事に向き合っているわけで、周りが簡単に言えることではないと思います。また、保育園はどの時間も子どもが安心して自分のしたいことに熱中できる環境です。一緒に遊ぶ友だちもたくさんいます。長時間保育園にいるということは、遊びや関わりを深める時間がたくさんあるとも言えるかもしれません。反対に家庭で過ごす時間が長い子でも例えば1人でテレビを観ている時間が多いとしたら、どちらがいいのかなんてわかりませんよね。

個々が置かれている状況は様々です。そしてその多くは簡単には変えられないことだったりします。だとすると、他人と比べてどちらがいいのか?みたいなことはあまり意味がないことだと思います。そんなことよりも、保育園での生活時間が長い子も短い子も、その条件の中でやっていくのが自分の家庭のあり方なんだと学んでいくことが大切なんじゃないかと、子どもたちを見ながら考えています。そのためにも、自分の置かれた状況で子どものために何ができるかを考え、できることを1つずつ行動していく姿勢を子どもに見せ続けることが親の大切な役割なんじゃないでしょうか。

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「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」と誰かが書いていましたが、これはごく当たり前のことですよね。幸せかどうかは個々の捉え方次第。子どもと一緒にその家庭の幸せ観を作っていくことが大切なんだろうと思っています。そして、子育ては親だけで行うものではありません。兄弟やおじいちゃんおばあちゃん、友人、近所の人、そして保育園のような施設など、たくさんの人と協力して社会全体で行っていくのが人類の子育ての特徴です。協力してもらうことでカバーできることは多いですし、それが子どもにとって自然な環境だと考えると、今回の質問に対する自分なりの答えが見えてくるじゃないでしょうか。