園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

45/50『アフターデジタル』

50冊チャレンジの45冊目は『アフターデジタル』(藤井保文・尾原和啓)。人口減少社会の勉強を少しお休みし、以前から読みたかった本を読むことに。

アフターデジタルの世界は今よりデジタル化が進み、便利だけど無味乾燥な世界なんだろうと大ざっぱなイメージしか持っていませんでしたが、そもそもその捉え方が間違っていることを学べました。

ビフォアデジタルは「オフラインの世界が中心で、そこに付加価値的にデジタル領域が広がっている」世界で、それに対してアフターデジタルは「オフラインがデジタル世界に包含されている」世界ということになるそうです。アフターデジタル社会では人は常時デジタル環境に接続していて、リアルな行動も含めたあらゆるデータが蓄積されている状態です。

別の説明では、ビフォアデジタルはリアル(店や人)でいつでも会えるお客様が、たまにデジタルにも来てくれる状態で、アフターデジタルはデジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアル(店や人)にも来てくれる状態となるそうです。

わかったようなわからないような、そんな感じですが、何となくは掴めてきました。オフラインとオンラインの主従関係が逆転した世界、デジタルがツールだったのがリアルの方がツールになる世界、いろんな言い方ができます。

そんな世界が果たして楽しいのか、人と人の温かなつながりはあるのかと考えてしまいますが、例えばレジなどが無人化する店が増えていくことでどうなるかをこんな風に書いていました。

無人化」というとどんどんサービスが機械化していく印象がありますが、実際には従業員とよりコミュニケーションを取り、より人間的な温かいサービスを提供するプレイヤーが生き残っています。

レジでのお金の受け渡しがデジタルで省略されることによって、商品を通じたやりとりを一人ひとりに応じたやり方でより深めていくこともできるし、そこで得られる体験の質を上げることも可能で、アフターデジタルはその方向に進んでいくと理解することが大事だという話でした。

例として出てきているのは、国民の個人情報を国をあげて収集し、その情報を活用して国民一人ひとりの生活が便利で豊かなものになるようにサービスを改善し続けている中国の企業です。読んでいてその徹底ぶりに驚かされました。やはり中国はおもしろい国です。

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