園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2022年7月

【意見の違う人との議論】
「議論の目的は、互いの意見を戦わせてどちらが正しいかを決めたり、どちらが勝ちでどちらが負けかを決めたりすることだと考えている人が多いですが、実はそんなことはどうでもいいんです。なぜ議論や対話をするのかというと、自分が分かっていない、まだら模様の知識の抜け落ちている部分に気づかせてもらうためです。だからこそ自分と違う意見を持っている人と議論することが大事なんです。」

これは地域再生事業家の木下斉(きのしたひとし)さんがあるラジオ番組で話していたことで、聞いていてドキッとしました。議論の大前提として自分の知識はまだら模様であると認識することが必要であると、自分自身がどれだけ自覚していただろうかと考えさせられました。一人では気づけないアイデアやリスクも意見の違う人との議論や対話の中で気づかされることはありますが、自分には分からないことがたくさんあると自覚していなければその気づきは得にくくなります。

多様な人、多様な事業所があることが花の村の特徴で、そこで行われる議論には多くの可能性があるはずです。事業所を超えた議論の場としては、以前は全員が参加するプロジェクトがありましたが、今は提案型プロジェクトと委員会のみと少なくなっています。なので参加している人限定にはなってしまいますが、自分の知らないことに気づかせてもらうチャンスと考え、また自分の意見が相手の気づきにつながると考え、積極的に意見を交わす場にしてください。

【福祉の仕事のアピール】
進学を希望している石見地区の高校生に対して地元企業のアピールをするイベント、浜田商業の生徒に対して地元企業のアピールをするイベントが、どちらも無事終わりました。参加しアピールしてくれた職員の話を聞いていて、生徒にとっても参加した職員にとってもいい機会になったと感じました。

日々行っている仕事を第三者に説明するためには、客観的に観察し直す作業が必要になります。いつもとは違う目で仕事を見ることでの気づきがあったはずですし、生徒の反応を見ながら分かりやすく説明するためにはどうすればいいかを考える機会になったはずです。生徒が将来を考えるきっかけを作れたなら嬉しいですし、参加した職員がいい気づきを得られたなら更に嬉しいです。

8月には浜田商業の生徒の保護者と先生が花の村の見学に来られます。生徒の進路相談にのる立場の人たちにも地元企業のことを知ってもらおうというのが目的のようです。時間に限りがあるためデイサービス、グループホーム、さくらこども園を見てもらって全体の説明をするくらいしかできないでしょうが、定期的に福祉の仕事をアピールする機会をいただいていることに感謝しています。

【ベンチづくりがスタート】
江津工業の4名の生徒による、合歓の郷の敷地内に設置するベンチづくりがスタートしました。ベンチを置くことで利用者さんの歩行距離を伸ばしたい、そこに座って交流する機会を増やしたい、そのことで健康度や幸福度を上げたいという思いがあり、それを生徒に話し、その思いを実現するためのベンチを設計してくれています。利用者さんにモデルになってもらい、座ったり立ったりしやすい高さの調査、設置する場所の測量が終了し、次はそれらのデータを元に生徒が考えたベンチの説明を受けることになっています。

敷地内にベンチがたくさん設置されることで利用者さんの行動が変化することを期待していますし、生徒がもの作りを通して介護に関わったと実感できる活動になることも期待しています。

【佐々木恵未さんの絵】
合歓の郷の玄関を入って右側に佐々木恵未さんの絵が飾ってあります。花の村設立の思いを佐々木恵未さんに話し、そのイメージをオープンに合わせて描いてもらったものですが、そのことを知っている人が少なくなっています。でもそれではもったいないと思い、前施設長に来てもらって絵の説明をしてもらいました。その内容を簡単にまとめ、花の村のHPに載せています。見ていると楽しくなる絵です。みなさんもぜひゆっくり見てください。

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