園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

勝手に説明を加えてみました

先日見学に来てくれた方がすてきな記事を書いてくれていました。

note.com

なるほど、ここに興味を持たれるのか、こんな風に受け取ってくれたのかと、読んでいるとうれしくなります。せっかくなので私の立場から背景に触れてみたり、勝手に説明を加えてみました。

 

①朝の会で、子どもが園に来て気づいたことをみんなの前で発表する時間があった。また、職員が園にきて気づいたこと(例:園で飼っている亀の甲羅の上に石が乗っていたこと)を紙媒体で知らせるなどの工夫があった。園内には、子どもだけがいるわけではなく、職員も合わせて園内に人が集まる。だからこそ、子どもだけに焦点を当てるのではなく、子どもも職員(大人)もみんなで学びを共有できる環境であるということが伝わってきた。

朝の会や帰りの会では、子どもたちが感じたこと、考えたことを発表する機会を作っています。まだうまく表現できなくても、友達や職員にサポートしてもらいながら自分の意見を言う経験を、他の子はその意見を聞くという経験を、毎日の生活の中に取り入れています。

 

②子どもの時から、「火は熱いものである」など遊びの中で危険なものへの意識を働かせることによって、危険なものは危険だと考えられるようになる。大人になってからでは遅い。

危ないから、ケガをしないようにと、大人が危険なものをあらかじめ取り除くことは簡単です。ですが、本来すべきことは子どもが自分で危険なものを回避する力をつけられるような環境を用意することです。園庭にはたき火ができるスペースがあり、そこで頻繁にたき火をしています。日常的に火に触れる機会を持つことで、何に気をつけなければいけないかを自然と学んでいきます。失敗もあるかもしれません。でも子どもの頃の失敗は小さなケガですみますが、その経験をせずに、危機回避の力をつけずに大きくなって初めてケガをする方が怖いです。危機回避能力を子ども時代に経験を通して学んでいくことは絶対に大事です。

 

③1人の先生が、3人の子どもに食事を食べさせる際のこと。先生が、他の子どもにご飯を食べさせている時間にも、待っている子どもがご飯を食べたいと思って、自分で食べるようになることが大事。人に食べさせてもらって食べることを学ぶのではなくて、自分で食べたいから食べれるようになることが、とても自然であるし、自分の欲求で行動することができることが良いと感じた。

このテーブルのことはこの記事に書いてあります。

meg-ai.hatenablog.com

あさりこども園があさり保育所だった頃の記事です。

 

④年長さんと小学5年生の交流会。年長さんが小学校に上がった時に、6年生として待ってくれている状態を作ることで、仲間がいるワクワク感や安心感を感じることができるのではないか。幼小連携として積極的に実施する意味はありそう。

幼小接続は課題です。ですが、県内でも珍しく?小学校と保育施設が連携のための話し合いを積極的に行っている地区なんです。しかも市の教育委員会子育て支援課が主導して、です。他の市は1つの小学校に対して複数の保育園から子どもがやってくる、1つの保育園から複数の小学校に行くのが当たり前で、連携しようと1対多数の話し合いが常に求められます。それに対して江津市は1つの小学校に対して1、2園からといったケースが割とあって、環境的に連携がとりやすく、連携の事例を作っていきやすい地域でもあります。

 

⑤毎週金曜日:地域に出て遊ぶ「もくもくの日」。
今日は外が暑いため事前に下見にいった先生と相談の上、地域に出て遊ぶことはなくなった。そのため、その事情を子どもたちに伝えるため、園内で遊ぶ園児と園外で遊ぶ園児とで部屋を分けて朝の会で説明等を行っている。何かの事情で、園外で遊ぶことのできない理由を、子どもに伝えて納得してもらうこと。

子どもたちが自分でやりたいことを決めて取り組むのが基本であるため、仕方ない理由で活動が中止になった場合もちゃんとその理由を説明し、子どもたちが納得してから次の活動を考えて取り組めるようにしています。まあこれは当たり前のことですね。

 

⑥「なかよしテーブル」
子ども同士が喧嘩をしている状況があっても、子どもが納得した状態を作ることが大事。そのため喧嘩をしても納得のいくまで子どもたちが直接話すことのできる「仲良しテーブル」が設置されている。開かれた場で、話すべき人と話せる場を確保することで、ここは真剣に向き合わなければいけないという意識を子どもが自然と持つことができるのではないか。

話をするための場が用意されていることで、そこに行けば話がしやすい、相手の思いに真剣に向き合いやすいということはあると思います。それは大人も同じですよね。

 

園内の漢字表記について
①漢字と実際のものとを結びつけてイメージできる。
(例)山の形をイメージして山という漢字を覚えられる。

漢字については、実は子どもは漢字の方が意味をイメージしやすいんじゃないかと思ってます。そのへんのことはこちらに書いています。

meg-ai.hatenablog.com

 

②園から一歩外に出た際に、漢字表記のものが多い。園内では社会で多く使われている漢字表記に合わせている。そうすることで、例えば「止」という漢字を普段から見ていることで、道路に書かれている「止まれ」を見て「ここでは止まるんだ」という自然に理解できるようになる。

園内の環境と、そこを一歩出た環境とを比べると、あまりにも違うことが多かったりします。掲示されている文字、サインはその代表でもあって、ほとんどのものがひらがなで書かれていたりします。それ自体が悪いわけではないんですが、もう少し社会の一般的な表記との差を埋めることがあってもいいんじゃないかと思います。文字を読み、言葉の意味を理解するという理解だけでなく、何となくその言葉が指しているものの意味を掴む、みたいな捉え方でもいいんじゃないかと。