園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

52/70『地方消滅』

70冊チャレンジの52冊目は『地方消滅』(増田寛也)。この手の本を読み続けていると似た話ばかりを読むことになります。人口減少、少子化、高齢化、地方の衰退といった現象の原因は既に明らかで、そのことに対して警鐘を鳴らしている本を読んでいるわけなので当然のことです。

でも知らなかった言葉に出会うことは未だにあります。例えば極点社会。地方から都市部への人口の流出が進み大都市圏に人々が凝集して生活している社会を表す言葉で、その現象自体を知らなかったわけではないんですが、同じテーマの本を何冊読んでいても常に新たな出会いはあります。

今回は”たとえ”を読んで、なるほどと思わされました。地方に生活の地を移す若者が出てきていることをトキにたとえた話です。

トキにたとえると怒られるかもしれませんが、ある書物によれば、昭和40年代、中国に突然飛来した一群かあったそうです。推測するに、このまま日本にいても絶滅だと察したベンチャー精神あふれる一群が、海を越えて同じ棚田環境の中国の奥地まで飛んで行き、新天地を見つけたのではないでしょうか。その子孫が、いま逆輸入されているわけです。

このようなことになるとは思いませんが、生物として現状に危機感をおぼえて無意識のうちにトキのような選択をしていることがあってもおかしくない気がしていて、対策を考えるのと同時に若い人の思考や選択にも耳を傾けておきたいと思います。

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