園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

No.10 叱ることはむずかしい

先日「叱る」ことについて職員の間で話題に上がりました。その話を聞きながら「叱る」ことの難しさをつくづく感じました。子どもたちと関わりながら、また職員が子どもたちと関わっている様子を見ながら、「叱る」ことの難しさを思い知らされることがたびたびあります。

子どもを叱る場合、念入りに「叱責計画」を立てたりはしないと思います。その場その場の状況に応じて、それこそとっさの判断で叱ることがほとんどだと思うので、ついつい感情的になって怒りや憤りをぶつけてしまうことがあります。そうなりがちな行為であるからこそ、何度も何度も丁寧に考える必要があるのではないかと思うようになりました。

保育について様々な助言をしてくださるある保育園の園長先生が「叱る」ことについてこんな風に言っておられました。

「叱る」=「良いことか悪いことかを"教える"」という考え方は、たいていのケースではふさわしくありません。悪いことをするのは、悪いと頭で理解できていないからするのではありません。さまざまな心の事情が理由にあります。私は、叱るということは(愛情と信念をもって)「価値観を伝えること」に結びつかなければ、後々マイナス面の方が大きくなると考えています。

「叱る」という行為も子どもの育ちにつながっていきます。だからこそ、善か悪かを伝えるのではなくて、善悪の価値観を子どもたちの心の奥底に根付かせるものでないといけません。自分がした"悪事"を振り返って悔いる気持ちをいかに引き出すか。それが保育であり、私たちが常に立ち向かわなければいけないところだと思います。大人も子どもも様々で、叱り方も様々です。とっさの判断で価値観をぶつけるという、ごまかしのきかない行為であるからこそ、「叱る」観を議論することや「叱る」ことを繰り返し検証する丁寧さが土台になければいけないと思っています。

職員の話を聞きながら、叱ることについてこんなことを考えました。皆さんはどう思われますか?