園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

No.279 ごっこ遊びと移行の話

前回ごっこ遊びゾーンを変えていくことを書きました。ゾーンの一角に病院ができ、そこで病院ごっこが繰り広げられるようにもなりました。まだまだ遊び方が変わっていく余地はたっぷりあるように思いますが、少しずつこのゾーンでできることを見つけていってくれたらいいと思っています。火曜日にはこんなことがありました。人形の腕がとれてしまったので「病院で手術してほしい」という申し出があり、F保育士が子どもたちの見ている前で白衣を着て人形の腕を縫ってあげました。子どもたちはとても興味をもち、真剣に見ていたようです。このように、ごっこ遊びゾーンはごっこ遊びだけをするところと限定してしまうのではなく、いろんな広がりを楽しむ場であってほしいと思います。

まだごっこ遊びゾーンの話は続きます。これは水曜日のことですが、子どもたちが「たこ焼き屋さん」を始めていると聞いたので見に行ってみると、とても興味深い遊び方をしていました。たこ焼き器(卵の容器)でたこ焼き(トチの実)を焼いているところから「たこ焼き屋さんごっこをしよう!」ということになったらしく、テーブルを拭く布巾を用意したり、看板を書いたり、だんだんと本格的な遊びになっていきました。

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電話注文も受け付ける店のようで、電話の応対に追われる姿も見られたほどです。当然周りの子も興味を持ち始め、お店はどんどん賑やかになっていきます。

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「お金はドングリで、たこ焼きは100円だからドングリ1個にしよう!」といった風にルールも決まりました。このドングリ通貨は以前の買い物ごっこの体験が生かされているようです。過去の体験が生かされるシーンを見ると嬉しくなりますね。

それともう1つ。いよいよ3,4,5歳児の部屋へ移行してくるぱんだ組さんが、その遊びに加わるところまではいきませんでしたが、上の子たちの遊ぶ姿をジーッと見ていました。

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複雑に役割分担をし、ルールを決め、必要なものを次々に作って用意していくダイナミックさは、あまり体験していないことだと思います。今はしっかりと「見て」、それを次の「真似る」につなげてくれることでしょう。ごっこ遊びも移行も、ポイントは「見て」「真似る」です。