園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

No.504 「どうせ無理」をなくしたい

最近のお気に入りは植松努さんの話を聞くことです。ネット上で聞くことができるものを手に入れては聞き続けています。
きっかけは下記の動画を見たことです。とにかく感動してしまいました。

植松さんは植松電機を経営しておられ、リサイクルのためのマグネットを作る仕事をしながら宇宙開発(ロケットや人工衛星を丸ごと全部作ったり、NASAとドイツの研究所と植松電機の世界に3つしかない無重力実験装置を作ってしまったり)も行っているとんでもない方です。この方の考え方については動画を見てもらうとよく分かると思います。

世の中から「どうせ無理」という言葉をなくしたい、「だったらこうしてみたら」とみんなが言い合うことで夢を叶えてほしい、そんなことを訴えておられます。動画の中に何度も出てきますが、「子どもの夢を奪っているのはそれをやったことがない大人の無責任な発言だ」という部分に、ドキッとする人は少なくないんじゃないでしょうか。私も今までの自分の発言を振り返り、子どもに対してだけでなく、大人に対してもそんなことをしてきたことを改めて反省しました。子どもたちは何でも試したがり、恐れずにいろんな夢を抱きます。大人はそれをジャマすることなく、更に夢が広がるように、夢に向かっていく力を無くしてしまわないように関わらなければいけない。そんな当たり前のことを深く考えさせてくれたのが、植松さんの言葉の言葉でした。

そして、別のところではこんなことも言っておられます。「大きな夢を持つと自分1人では叶えることが無理な場合もある。それでも叶えようとすると仲間が必要になる。一緒にやってくれる人、自分の後を引き継いでやってくれる人。自分以外の人と協力しなければいけない事に気づかされる。だから大きな夢を持つことは大事なんだ。」そんな話だったと思います。

これも大事なことですよね。あさりこども園では子どもたちに協働する楽しさを知ってもらいたい、体験してもらいたいと考えています。1人でやるよりも友達とやった方が楽しい。1人ではできないけれど友達と協力したらできるようになった。そのことで遊びがより楽しくなり、好奇心が満たされ、そのことで対象に対して更に深い関心を持つようになる。そんなことの楽しさを知ってもらいたいと思っています。そして、自分の得意なところと友達の苦手なところを比べて友達をバカにしたりするのではなく、自分の苦手なところと友達の得意なところを比べて自分に自信を持てなくなったりするのではなく、自分の得意なところで友達の苦手なところを補ってあげ、自分の苦手なところを友達の得意なところで補ってもらえればもっともっといろんなことができるようになる、そうやって社会を楽しいものにしていくことを遊びや生活を通して十分に体験してもらいたいと思っています。そうなるためには植松さんが言われるように大きな夢を持つこと、何としてでもやってみたいという強い関心を自ら持つことが必要で、あさりこども園でもそのことを大事にしています。

他にも興味深い話をたくさんされているのですが、大きな夢、簡単には叶えられそうにない夢を持つからこそ仲間が必要になる、他者と協働することが必要になるという話が、あさりこども園の思いと重なる部分は多いと感じたので、ここで紹介させてもらいました。

植松電機で行われていること、そこで働いている人たちの関係性、そして植松さんの強くて深い思い、そんなことを実際に北海道へ行って肌で感じてみたくなっています。