園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2023年2月

【最大の近道は丁寧な一歩】
1月28日にアドベンチャーレーサーの田中陽希さんをお招きして講演会を開催しました。田中陽希さんとの出会いは2014年4月。日本百名山ひと筆書きに挑戦しておられたときに声をかけ、あさりこども園に立ち寄ってもらって子どもたちと交流してもらいました。その時以降、あさりこども園とのやりとりが続いてきました。本当は一昨年の夏に日本三百名山ひと筆書きを達成されたタイミングでお招きしたかったんですが、新型コロナの感染状況からそれが叶わず、この度ようやく講演会を開催することができました。

講演会の中では様々なチャレンジを通して考えたことについてたくさん話してくれました。印象的だったのは『最大の近道は丁寧な一歩!』という言葉。望む結果を急いで出したいときこそ丁寧に一歩ずつ進んでいくことが大切だと、自身の体験を交えて語ってくれました。

百名山ひと筆書きも三百名山ひと筆書きも、途中の山を飛ばしてのゴールはあり得ません。1つ目の山、2つ目の山、3つ目の山…と1つ1つの山を丁寧に登り続けていった先に百名山ひと筆書きのゴールがあった、そんな当たり前のことに気づけるかどうかが結果は変わってくるという話でした。私たちの仕事や生活でも大切にしたい考え方です。

 

【ちょっとした関わり】
孤独が健康に悪影響を及ぼすという研究結果があります。肥満、運動不足、アルコールの飲み過ぎやタバコの吸いすぎよりも、孤独であることは死亡リスクが高いという内容です。どのような状態を孤独と感じるかは人それぞれで、一人であることを楽しめる人がいることも十分理解していますし、一人=孤独と簡単に線を引くものではないと思っています。ですが、地域の人口が減りコミュニティーの形が変わってきていることに伴い、単身者の生活のあり方も変わってくることに対しては、注意して見ておく必要があります。

コミュニティーの機能が減ってくると、ちょっとした声かけなどの何気ない会話は減っていくでしょう。そしてこの何気ない会話を通して「互いの存在を認めている」と伝え合う機会が減ることは、健康面に大きく影響すると思っています。ちょっとしたあいさつ、ちょっとした声かけは単なる言葉のやりとりをしているだけではなく、どんなタイミングで反応するか、どんな表情で応えるかなど、わずかであったとしても全身の神経や筋肉を使う行為です。「ちょっとした」関わりの効果はかなり大きく、だからこそ花の村の事業が地域の人の何気ない会話のつなぎ役として機能し続けることは大切にしていきたいところです。

利用者さんや子どもとの会話や関わりだけでなく、接点のある地域の人との何気ない会話の輪を広げていくことで、孤独だと感じる人を減らしていける可能性はあると思っています。「何気ない」「ちょっとした」を続け、広げていきましょう。

【内発的動機】
自分はこれが好き!これがやりたい!を動機とする内発的動機と、あの人に評価されたい!周りから悪く思われたくない!を動機とする外発的動機があります。あることをやるかやらないか、AとBのどちらを選ぶか、そんな決断を求められるときになかなか決められない人は、外発的動機で考える傾向の人が多いそうです。

外の目を基準にするので気にする項目はかなり多くなりますし、基準にするものが多すぎるため失敗したときに何を改善すべきかを考えるのも難しくなります。早く決断して早く行動するため、失敗しても次への改善をしやすくするために、ぜひ内発的動機から物事を決断することを増やしてください。

「人の為と書いていつわりと読むんだねえ」と誰かが書いていましたが、これもある意味外発的動機のデメリットを表しているのかもしれません。