園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

3月29日(金) メールのやり取りで

小さい頃、夏休みとか長い休みには山口に住んでいたおばあちゃんのところによく遊びに行った。行くと必ず好物の鯛茶漬けを作ってくれていて、何杯もおかわりをさせてくれた。手作りのゼリーとかも用意してくれていたと思う。行く度においしいものをたくさん食べさせてくれ、その様子をニコニコ見ていたおばあちゃんのことをよく覚えている。たまにしか来ないのに、しかも数日しかいないのに、そしてこちらからは何かしてあげるわけでもないのに、なんでこんなにこちらが喜ぶことをしてくれて、しかも嬉しそうにしているのか?不思議でたまらなかった。そんなおばあちゃんは「来てくれるだけでうれしい」と、よく言っていた気がする。子どもの頃はもちろん、大きくなってからもその感覚はなかなかわからなかった。最近ようやく少しわかるようになった。わかるというか、そう感じることが増えてきた。

何かのお礼をしようと思ったとき、大したことをしたわけじゃないからそんなのはいただけないと言われることがある。その気持ちはよくわかるし、逆の立場だったら同じことを言いそうな気もする。でも、その人が「してくれた」ことに対してというよりも、「いてくれた」ことに対してお礼をするような、対価を支払うとかとは違うお返しやお礼の仕方が、ビジネスにおいてもあっていいんじゃないかと思う。もちろん独りよがりなものではなく、相手と心地よい関係を築いていけるようにという気持ちを持っていないといけないけど。そんな関係を築いていけたら、おばあちゃんと孫のような「来てくれるだけで、いてくれるだけで嬉しい」と思ったり思われたりする関係を、役割をコロコロと入れ替えながら築いていけたらおもしろいだろうなあと、とってもお世話になっていて、とっても信頼している方との短いメールのやり取りを通して感じました。

バタバタと忙しく年度末の仕事をこなしている最中の、ほんのちょっとの時間のメールのやり取りだったけど、それだけでずいぶん穏やかな気持ちになりました。