園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

5月15日(水) 野山の植物

子どものころは野山で食べられる植物をとる機会が多かった。春が近づいてくると、祖母とフキノトウを取りに行って味噌汁に入れて食べていた。裏の竹林にタケノコが生えてくると、掘り方を教えてもらってからは勝手に掘っていたし、祖父に連れられて山に入ってワラビやゼンマイをとってきては、それが食事になっていた。砂浜ではボウフウをよく採っていたけど、酢の物は苦手だった。自分で採ったことはないから当時は何者なのかわかっていなかったけど、松露をよくもらって食べていた。そんなことばかりではなかったけど、そこら辺で採ってきたものが食卓に並ぶことは多かったため、そういうものだと思っていた。でも大学へ行くためにこの地を離れてみると、それが全然当たり前ではない土地が多いことを知った。食材は買うもので、自分で野山に行って採ってくる機会はほとんどなかった。特殊な生活をしてきたんだなあくらいにしか思っていなかったけど、今となってみればかなり恵まれた生活だったと思う。今でもワラビが生えているのを見るとうれしくなる。◯◯にタラの芽がたくさんあるらしいと聞くと、仕事を抜け出してとりにいきたくなる。

私たちのこども園があるのは島根県江津市。自然が豊かで、食べられる植物をとる楽しみ味わうことがいくらでもできる土地だけど、どうやらその体験を満喫している子どもは少ないようだ。まあそれでも生きていけるわけだから問題はないけど、でもせっかくならその楽しさを体験させてあげたい。ということで、そのための新しい企画の検討を始めた。検討を始めた段階なのでまだまだ時間はかかるけど、驚くほどの野山の植物の知識を持っていて、それを活かして野草ライフを楽しんでいる方に力を貸してもらい、子どもが自然に対してより興味を持てるような企画をつくりたい。