園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2019年12月

【おたのしみ会と発表会】
11月30日はあさりこども園でおたのしみ会が、12月7日にはさくらこども園で発表会が行われました。どちらの行事も子どもたちの言葉の力、感じたことや考えたことを表現する力がどのように育っているかを保護者に伝えることが目的です。日々の活動の中で身につけた力を見てもらうことに重点を置いているため、特別なことを覚えて披露したりすることはありません。そのようなおたのしみ会、発表会ですが、常に課題がありました。当日見てもらう姿は、時間の関係もあってどうしても成長の一部に限られてしまいますし、たくさんのお客さんの前で緊張してしまう子もいて、成長を見てもらうことも難しいケースがあります。

【変化】
そんなこともあり、子どもたちは当日までにどんな取り組みを行ってきてどんな様子だったかをお便り等で毎年発信してきたんですが、今年度はより詳しく伝えるために「こんな取り組みが始まり、子どもたちはこんな様子だった」「前回の取り組みがこんな風に展開してきた」と取り組みの様子を細かくまとめ、それを並べて掲示し、子どもの成長を一連の流れで見ることができる方法を取り入れてくれました。当日の様子だけでなく、そこに至るまでの取り組みの様子や子ども同士のやり取りを細かく見てもらうことで、子どもの成長を捉えやすい形になったと思います。行事の目的を振り返り、何ができるかを考え、変化することでたどり着いた素晴らしい取り組みでした。

【まずやってみる】
こども園の取り組みは、みんなが完成形を完璧にイメージしてから取り組んだわけではなく、動き始めてから完成形のイメージを膨らませていき、その過程で何度も修正を加えていったものだと思います。ゴールが明確に見えない状態から動き出すのは不安だったと思いますが、「まずはやってみよう!」と動き出したからこそできたことです。どんなものでも変える必要のないパーフェクトなものはありません。変化は絶対に必要です。そしてその変化は動きだすことでしか生まれません。まずやってみて、問題点が見つかれば修正し、失敗したらやり直せばいいだけです。変化していくために大事なことを、両こども園の取り組みのおかげで再確認することができました。

【小さく始める】
地域再生事業家の木下斉(きのしたひとし)氏の著書を読んでいますが、考えさせられることが多い内容でとてもおもしろいです。木下氏は、地域を再生するためには住民1人ひとりが「自分がやるしかない」と意識を変えること、そして「小さく始める」ことを薦めておられます。地域の衰退を止めるためには自分たちが変わらなければいけないことをまずは認め、小さいことから、少人数から始めていくこと、そしてそれを継続していくしかないと言っておられます。外からヒーローが現れて大きな改革を行ってくれるような一発逆転の方法はありません。小さくてもいいので動き出し、その輪が少しずつ広がっていく形を作ることが、地域を再生する唯一の方法だと書かれています。これは私たちの仕事でも同じです。事業所に課題があれば、その課題を一気に改善する方法を探すのではなく、◯◯を試してみたらどうだろうか?と小さなところから変えていくための意見を出し合い、できることからすぐに取りかかってみることしか方法はありません。小さく始められることは何があるか?と考え始めると、アイデアは思いつきやすいはずです。「小さく始める」を覚えておいてください。

【方向性は変わりません】
相談役と施設長が12月いっぱいで退任されます(理事としては今のまま残ってもらいます)。花の村を立ち上げ、20年という長い期間の事業運営の中で果たしてこられた役割は非常に大きいため、今回の退任は花の村にとって大きな変化となります。そんな状況ですが、花の村は「ひとりを大切にする」ことを変えずに継続していきます。事業を通じて地域に貢献していくことも同じです。花の村が変わる、取り巻く社会の状況も変化し続けている、その中で花の村の大きな方向性は変化させないとなると、私たち1人ひとりの考えや行動は変えていかなければ対応できません。今まで積み上げてきたものや経験を大切にし、変化していくことを恐れずに、新たな気持ちで事業を進めていきましょう。

【賞与を支給します】
今年も冬の賞与を支給させてもらいます。みなさんが利用者1人ひとりをしっかり見て、1人ひとりを大切にした保育、育成、介護を行ってくれたことが、今回の支給につながっています。昨年度の給与コメントでは『今後も賞与を支給し続けることができるよう変化していくことを選択します』と書いていました。1年前から小さな変化を続けてきて、今も同じ思いでいます。これから年度末にかけては異動の話も出てくるでしょう。長いスパンでみると、事業内容を見直す必要も出てくるかもしれません。それ以外のことでも変化を求める機会は増えてくると思います。みなさんには、それらの変化をぜひ前向きに受け止めてもらいたいと思っています。変化は大変なことではありますが、同時に前に大きく進むチャンスでもあります。そのように受け止めてください。変わり続けたことで今の花の村があります。今後も変わり続けることを大切にしていきます。