園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2020年4月

新型コロナウイルス①】
3月の給与コメントでも新型コロナウイルスのことについて書きました。そこから1ヶ月しか経っていませんが、感染者が急増し、7都府県に緊急事態宣言が出たりと、状況は大きく変わりました。これを書いている4月13日時点で、世界の感染者数は184万人、島根県でも8名の感染者が確認されています。世界中の全ての人が当事者となっている今回の感染症にどう対応していくか考えたとき、長期戦に持ち込んで感染速度を緩やかにすることくらいしかなさそうに思われます。治療薬やワクチンの早期開発を期待しつつ、1年くらいのスパンで感染症対策を考えるのがよさそうです。まず最初の1ヶ月の対応として、1ヶ月後の連休明けくらいに島根県内全域で感染拡大が起きているとしたら今考えている対策で十分かどうかを、事業所ごとに再確認し準備をしていきましょう。他県の対応事例は参考になるはずです。

新型コロナウイルス②】
介護も保育も児童クラブも、休業せず動き続けることを求められている業種です。感染が広がる中で、利用者さんや子どもたちが感染しないように、もちろん自分も感染しないようにと注意を払い続ける毎日は、精神的にもしんどいことでしょう。気にし過ぎないようにしているつもりでも、新型コロナウイルス関連の情報はたくさん飛び込んでくるので、気づかないうちに気持ちが沈んでいることもあると思います。現代人が1日に得ている情報量は、江戸時代の人の1年分、平安時代の人の一生分とも言われています。普段からそれだけの情報を取り込んでいる上に新型コロナウイルスの情報も入ってくるので、しんどくないわけがありません。これは長期戦です。うまく息抜きをしながら、この状況でも楽しむことを忘れず仕事をしていきましょう。しんどい時はそれを周りの人に聞いてもらうことも大事です。(新型コロナウイルス関係の話はここまで)

【できること】
4月1日から新体制での業務がスタートしています。例年のように業務だけに集中することは難しい状況ではありますが、利用者一人ひとり、子ども一人ひとりを大切にする理念を形にするために、新しいメンバーで意見を交わし続けてください。活動の多くが制限されることが予想されます。そんなときだからこそ、従来のやり方にとらわれることなく、新しいことにも挑戦してください。こども園では、保護者との交流事業をしばらく行わないよう指導されているため、動画配信を利用してこども園の思いを伝えることを試す準備が始まっています。面会をストップしているグループホームでは、テレビ電話を活用して家族とつなぐこともできそうです。制限の多いときだからこそ、小さなこともいいので「できること」を探していきましょう。

【勤続表彰】
辞令交付式と勤続表彰式は、全員に集まってもらって実施する形を中止しました。辞令書は各リーダーから渡してもらうことにしましたが、長年花の村の事業に取り組んでくれている方々に対する感謝の思いは直接伝えようと施設長と考え、永年勤続の感謝状は事業所をまわって渡させてもらいました。今回の勤続表彰者は20年が17名、15年が4名、10名が5名、5年が13名の計39名でした。たくさんの方に長く支えてもらっていることを実感し、心強く思っています。

【プロジェクトの報告】
給与コメントが長くなってしまいますが、最後にプロジェクトの報告をさせてもらいます。プロジェクト活動報告会が中止になった代わりです。2019年度に終了した3つのプロジェクトと、新たにスタートした1つのプロジェクト、今からスタートする2つのプロジェクトについてです。日々の仕事とは違う視点で活動するため、多くの気づきがあったことが報告書を読んでいて分かりました。ここに載せるのは短くまとめた報告になりますが、これらを読んでもらい、自分たちもこんなこともやってみたいと動き出してくれることを期待しています。

 

〜終了したプロジェクト〜

『10の姿情報発信プロジェクト』
2018年5月にスタートし、2019年7月までに全13回の活動を行いました。小学校入学に向けて育ってほしい力がこども園の生活の中でどのように育っているかをどう保護者に伝えるかを考えることが目的です。2019年7月には、マンガをふんだんに使った冊子「あさくらの保育」を完成させ、保護者に配布して情報発信を行いました。

プロジェクトメンバーの感想は、「理解が深まった」「じっくりと保育を語ることができてよかった」「子どもの行動の意味を保護者へ伝えることが大切だと気づけた」「マンガを描く人、文章をまとめる人と、個々の得意分野を活かして完成させることができた」といった感想をもったようです。

 

『杜に寄り未知プロジェクト』
2018年12月にスタートし、2019年11月までに全11回の活動を行いました。10月19日(土)には「日常生活に役立ててみませんか?」というイベントを合歓の杜で実施。自助具(生活補助具)を含めた福祉用具を体験してもらったり、安くて簡単にできる料理を提案したりと、家族の介護をしている人、介護を必要としている人、今後必要になる人に情報発信をする、その方の相談に乗ることが目的のイベントです。当日はプロジェクトメンバー以外の職員や業者の方、邇摩高校の生徒の協力もあり、参加してくださった11名の方に対してじっくりと対応できたようです。

プロジェクトメンバーの感想は、「来られた方にゆっくり見ていただき、しっかりと対応できた」「高校生が福祉用具を見る良い機会になったと思う」「最近の福祉用具を知ることができてよかった」「業者の方から福祉用具の詳しい説明をしてもらえてよかった」「介護の職員にとって必要な活動だと感じた」「業者の方からは使う人の生の声を聞くことができ、今後の製品開発に活かしていきたいと言われた」
今後もこのようなイベントがあるといいのではないかという感想や、介護サービスを受けることに対する敷居の高さを解消していくことも必要なのではないかといった感想もありました。

 

『環境プロジェクト』
2018年6月からスタートし、2020年1月までに全7回の活動を行いました。子どもたちが遊び込める環境づくりを目指し、その環境を作るために何が必要か、何を工夫すべきかを考えていくことが目的です。
・室内の音環境の調査から改善策を考え実行。子どもの活動内容にふさわしい音環境の場所を選択できるように改善。
・外部研修に参加した際、他園の保育室等の環境の写真を撮ってきてもらい、取り入れることのできるものは積極的に取り入れた。
・子どもの実験活動が充実することを目指し、100円ショップで実験に使えそうな素材探しをして活用した。

子どもたちの日々の活動を豊かにする様々な環境整備を行い、2020年1月で活動を終了しました。

 

〜新たにスタートしたプロジェクト〜

2020年3月からリユースプロジェクト』がスタートしています。
地域の会社で不要になったものや、地域の中であまり活用されていない場所を見つけ、資源として保育に活かせないかを考えるプロジェクトです。あらためて地域資源を見直すのは根気の必要な作業になると思いますが、気づきは大きいはずです。地域のいろんな事業所に協力依頼をしていくことが決まっているようです。

 

〜これからスタートするプロジェクト〜

2020年4月からこども園の実験ゾーンを充実させるプロジェクト(仮)』がスタートする予定です。
子どもたちの探求心「なぜ?」「どうして?」が生まれる環境を充実させることが目的で、具体的には実験ゾーンのあり方を考えていくことになるようです。身の周りにある物の変化に不思議さを感じるところから科学はスタートしますが、そのことについて改めて保育者が考える機会になっていくことが予想されます。

 

同じく2020年4月から『動画配信やSNSの使い方を学ぶプロジェクト(仮)』がスタートする予定です。
行事や保護者との交流に制限が出てくる1年となりそうなので、そこをカバーするために動画を活用してみよう、SNS等を使った情報発信に磨きをかけよう、そのための技術を身につけみんなで活用していけるようにしようということが目的です。ライブ配信もできるようになれば、こども園の活動の幅は広がっていく可能性が大いにあります。