園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2020年12月

【勉強の場を作る】
介護部門の看護師さんたちが研修資料を作成してくれています。利用者さんが服用する薬への理解を深めるためのものです。完成前の資料を読ませてもらいましたが、この薬は何のために処方されるもので、どのような作用があって、だから間違った使用によってどんなことが起こるのかといったことが、分かりやすく整理された内容になっていました。介護の現場では利用者さんに薬を服用してもらう機会が多くあるため、全員が共通した知識を持っていることが求められます。間違った服用は避けることが大前提ですが、人間ですので絶対はありません。それでも薬の理解を深めることで意識を高めてミスが起こる確率を下げること、万が一のことがあった際の対応の精度をあげることは取り組まなければいけません。利用者さんが自分らしい生活を維持していくために処方された薬です。その薬を適切に扱っていくために勉強の場を作りたい、でも集まって研修をすることは難しいので資料を作って全員に読んでもらおうと、看護師のみなさんが話し合って動いてくれました。そのことをうれしく思っています。誰かが研修を開催してくれるのを待つのではなく、自分達が持っている知識や経験を活かして学びの機会を作っていくのはすごいことです。「こんな状況だから仕方ないよね」で止まってしまうのと、「だったら代わりにこんなことをやってみよう」と自分達で動くのとでは、先で大きな違いになって現れてくるはずです。今回作ってくれた資料やその取り組みは、今後の花の村にいい影響を与えてくれるものになると思っています。

【社会に空いた穴】
「仕事というのは、社会に空いた穴です。道に穴が空いていた。そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。ともかく目の前の穴を埋める。」これは医学博士の養老孟司さんが仕事について書かれた文章の一部です。コロナ禍で従来のように研修が行われなくなったのは社会に空いた穴で、そのままだと勉強できなくて困るから自分達で勉強の機会を作るのは穴を埋める作業です。外部の人と交流することが難しくなっているためzoomを使って海外の人と子どもをつなぐ活動をしているこども園の取り組みも、穴を埋める作業です。去年までは当たり前にやっていたことができなくなった、そんな穴がまだ無数に空いています。穴を見つけ、みんなで穴を埋める方法を考えていきましょう。福祉の仕事自体が社会の穴を埋める大切な役割を担っている仕事なので、穴を見つけて埋める作業は得意分野でもあるはずです。穴に気づくセンサーを磨き、法人内だけでなく地域の穴も私たちにできる方法で埋めていき、地域の活性化につなげていきましょう。それを繰り返していくことが花の村の仕事だと理解してください。

【2021年】
2020年が終わろうとしています。何が起こるか分からないのは世の常ですが、そのことを強く実感した年だったのではないでしょうか。来年がどんな年になるか全く分かりませんが、花の村は、利用してくれる人や地域のために、みなさんと共に事業を継続していきます。そのためにもみなさんには健康でいてもらいたいと思っています。体調が悪いときは決して無理をせず、回復に専念してください。みなさんの家族に対しても同じ思いでいます。何かと忙しくなる時期ですが、体調管理に努め、みなさんも、みなさんの周りの人も事故なく元気に過ごせるようにしましょう。