園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

30/40『ペッパーズ・ゴースト』

40冊チャレンジの30冊目は『ペッパーズ・ゴースト』(伊坂幸太郎)。伊坂さんの小説の伏線回収がとにかく好き。

 

登場人物を通して表現されている伊坂さんの価値観に賛同できることが多く、読んでいて嫌な感じは一切ない。世の中で起きていること、起きたことが少し形を変えて描かれていて、それに対する評価だったり見る視点だったりがとにかく心地いい。

登場人物はそれぞれ個性的で、中でもロシアンブルとアメショーの存在が効いている。いろんな登場人物の発言や価値観が絡み合ってくることによって少しずつ明らかになっていき、それだけでなくストーリー全体が厚みを増してくるのがいい。この点は伊坂さんの作品を読んでいていつも感じること。

 

この作品には関係ないが、伊坂さんの作品でナンバーワンだと思っているのは『チルドレン』。陣内の言動がたまらなく良くて、何度も読みたくなる本。また読もうかな。