園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

37/40『子どもはこう育つ!おなかの中から6歳まで』

40冊チャレンジの37冊目は『子どもはこう育つ!おなかの中から6歳まで』(小西行郎、小西薫)。2019年に亡くなられた小西行郎さんが入院中に記録されたものを、奥様の小西薫さんが編集されたのがこの本。という認識で間違いはないはず。本になると聞いていて楽しみにしていたのに忘れてしまっていた。思い出せてよかった。

 

小西さんの音声メッセージを文字起こししたものを読ませてもらい、それを元にしたワークショップに参加させてもらったのが昨年のこと。何度も小西さんの言葉を読ませてもらい、何を考えてこられ、何に力を注いでこられたかが強く伝わってくる内容だったのを覚えている。相変わらずの口調で、絶対そんな言い方をしない方が伝わりやすいし敵も作らないしと思うけど、だからこそ伝わってくるものが確実にあって、とても魅力的な方だった。

内容は徹底して赤ちゃんのこと。赤ちゃんはどんな力を持っていて、どう育っていくのか。親はどこに注目して、どんな心構えでいればいいのか。そんなことが商業的なものは一切なく語られている。読んでいると赤ちゃんの姿がリアルに頭の中に浮かんでくるのは、赤ちゃんを真っ直ぐに見てこられたからだろう。こういう見方をしなければいけないと反省させられることも多い。

小西さんはこんな優しい言い回しはしないよな、編集の力でここまで文章が変わるのか、という発見もあった。あの人の語り口調そのままが文章になったら、それはそれでマズイことも出てくると思うので仕方はないけど。でも一番大事なのは内容で、その内容がすっと頭に入ってくる文章とイラストで構成されているこの本は、今赤ちゃんと生活している人にぜひ読んでもらいたいと思う。赤ちゃんの見方が変わるし、子育ての楽しさを新たに発見できるはずなので。