園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

10/50『子どもの発達格差』

50冊チャレンジの10冊目は『子どもの発達格差』(森口佑介)。月末に森口さんの講演を聞く機会がありそうなので、予習の意味で読んでみました。

著者がテーマとしているのは、「今を生きる」子どもと「未来に向かう」子どもの格差について。これが将来に直結していると考えているわけですが、「今を生きる」子どもより「未来に向かう」子どもの方が善いとは言っていない点が重要なところかと。最近流行りの「非認知能力」をつける幼児教育といったものに対しても、ちゃんと疑問を投げかけています。そもそも「非認知能力」自体が使う人によって定義が曖昧ですし、幼児期に非認知能力をつけたことでこうなった、ああなった等が、そのまま大人につながるわけではなく、その途中の環境や人との出会いによって大きく変わることも考慮しなければいけないという姿勢には賛同できます。

今回この本を読んで感じたことが実際に月末の講演を聞いて整理できるので、そのとき改めて考えてみたいと思います。非認知能力が大事って言われるけど実はよく分かってない…、子どものとき過ごし方が全てを決めるとか言われてもいまいちピンとこない…、そんな思いをもっている人には絶対にオススメです。