園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2023年3月

【ひっくり返らないような車を】

2月に亡くなられたトヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎さんについて書かれた記事の中で、こんな話がありました。

父親(トヨタ創業者・喜一郎氏)が昔、小さな車を自分で運転し、家の周辺をぐるぐる回っていたことがありました。試運転だったのか。ところが、途中で車がひっくり返ってしまった。あまり運転はうまくなかったのでしょう。章一郎氏が語ってくれたエピソード。笑い話かなと思った直後、続きがあった。「でもね。体験しないとわからないことがあるんです。その体験を生かして、ひっくり返らないような車を開発していかないと」

失敗しないとわからない、進歩は失敗の先にある、これはトヨタの基本姿勢だと思われます。現在のトヨタの社長である豊田章男さんは3月いっぱいで退任し、4月からは新体制でスタートすることが決まっています。自動車業界も大きく変化している最中なので、うまくいかないことも出てくるでしょう。そんな中でも失敗を大切にする文化は受け継がれ、その文化のもとトヨタは変化し続けていくと勝手に予想しています。

花の村も失敗を大切にしています。失敗は大歓迎です。ただしその後の点検や改善がセットであることが前提です。ひやりハットを書いて起きたことを振り返るのも同じで、見えていないことがないかを点検する、そうした気づきを共有する、次に同じことが起こりにくいように改善することを目指しています。提出が減っていた時期もありましたが、最近はいろんな事業所から提出されています。起きたことを次に活かす大切なツールなので、ひやりハットがどのくらい活用できているかを各事業所で定期的に確認するようにしてください。

 

【次世代に伝えたいこと12条から】

群言堂会長の松場大吉さんが作られた「次世代に伝えたいこと12条」のことを教えてもらいました。「一、里山を離れることなく事業を進める覚悟を持て」「二、業種、業態にしばられるな」…と全部で12項目あります。こういうものを1から考えまとめ上げるのは本当にすごいことですし、1から考えることに意味があると理解していますが、この形を利用するとどんな表現ができるだろう?と勝手に真似をしてしまいました。ということで、花の村として大切にしたいこと、次世代につないでいきたい文化を9項目に整理したものが次になります。

一、過疎と共に事業を継続する
二、現事業、現業種にとらわれない
三、変化を恐れない 変化こそ力である
四、常に一人ひとりに目を向けることが基本
五、花の村ならではの価値をつくる 他と違うことを恐れない
六、チャレンジに投資する文化をつくる
七、地域文化の維持とアップデートを両立させる
八、経済の理論だけで判断しない 経済の理論を抜きにした判断もしない
九、「福祉のある暮らし」づくりを追求する

こんな感じです。真似だとしてもこうやってあえて言葉にすることによって、「こういうものを目指そう!」という決意のようなものが立ち上がってくるから不思議です。

 

【調理部門の設立に向けて】

花の村の調理業務に従事する人たちが所属する調理部門を作ろうと、少しずつ準備を進めています。作る食事の内容は違っていても、調理という枠組みでは同じです。その人たちが相談したり刺激を受け合ったりする仕組みがなかったので、それを新たに作ります。法人内だけのことなのでそう大きな変化ではありませんが、調理部門の設立によって新しい動きが出てくるのを長い目で見ていく予定です。調理に関わっていない人にも知っておいてもらいたいことなので、ここで紹介しておきます。

 

慌ただしい3月はあと半月で終わりますが、4月には別の慌ただしさがやってくると思われます。そんな時期だからこそ、うまく体調管理をして自分に合ったいい状態を維持するようにしてください。