園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

4月9日(火) 自分で決めた経験がない

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昨晩この記事を読んでからぼんやり考えていたこと。

学ぶ内容を自分で決めた体験。確かにその経験をする機会がなさ過ぎたと思う。これは自分自身の話。誰かが高く評価するものを目指してしか勉強をしてこなかったかもしれない小中高。いや、高校で初めて、テストの役には立たないかもしれないけど無性に小説を読みたくなって没頭した時期があった。他人の書いた文章を読んで、その世界に没頭する体験をしたかったから。それが学びなのかどうかは分からないけど、自分の中では学びのつもりだった。(ただ勉強から逃げたかっただけかもしれないけど)。

大学に入って初めて学びたいものを選択することを経験したかもしれない。そのことに頭が馴染まず、しばらくは誰かが言っていた「選択した方が有利な講義」を選択していたが、あるときどうしても選択したくなったのが生物学。内容を少し聞いただけでぜひ受けてみたいと思った初めての講義だったかもしれない。そしてかなり楽しかったことは今でもよく覚えている。こんな楽しい(自分に合った)選び方をしていいんだ!と衝撃だったけど、今思えば衝撃を受けてる場合ではなく、そうやって選ぶのが当たり前だっただけのこと。その講義を受けるのは楽しく、初めて自分で学んでいると感じた講義だった。

数少ない「自分が選択した学び」ではあるけど、それがどれだけ楽しいものであるか、どれだけ学ぶ意欲は湧いてくるかを体験したことは大きかった。別に研究者になったわけじゃないけど、生物学で学んだことは結構今の仕事にも生かされていると思っている。子どもたちにはこういった経験を小さいうちからたくさんできるようにしてあげたい。それが当たり前に思えるような環境を作ってあげたい。