園長のひとりごと

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【小さなヒント005】子どもを「しつけ」する時期をつけることは?

(2015/06/11に書いたもの)

今回の質問は「子どものしつけする時ママが気をつけることは?」です。「しつけ」と聞くとどんなイメージを持たれるでしょうか。きちんと教え込むものとか、とにかく厳しいものとか、そんなイメージが多いのかもしれません。でも私はしつけについて、そういうものではないと教わってきました。

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着物などを縫うときに布を仮止めし、縫う場所を大体示しておく「しつけ糸」ってありますよね。きちんと仕上げるために使われているんですが、縫い終わった後は外してしまいます。でもしつけ糸を外しても、着物の形が崩れることはありません。このしつけ糸のあり方こそ「しつけ」なんです。

厳しく教えることとか強制することが「しつけ」ではなく、強制とかがなくてもきちんと自分を律することができるようにすることが「しつけ」です。しつけ糸が外された途端に形が保てなくなるようでは意味がありません。そこに至るためには時間がかかると思います。でも時間をかけてじっくりと、自律に向けて歩んでいけるようにガイドラインを示していくことが大切です。これでいいのだろうか?と不安になることもあるかもしれません。それでも子どもを信じ、大人になったときに外側から強制されなくても自分を律することができ、そして個を発揮して周りの人に貢献することができるよう導くことに力を注いでもらいたいです。その過程こそが「しつけ」だと思っています。

しつけ糸が不要になるようにしていくことが「しつけ」。今の姿を整えることではなく、将来の姿を見据えた親の関わりが「しつけ」。外部からの強制がなくても、内側から律すること(自律)ができるようになるのを目指すのが「しつけ」。そんな風に考えてもらいたいと思います。

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