園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2021年6月

【もりハウスがオープン】
もりハウスが6月1日にオープンしました。現在の入居者数は2名ですが、これから続々と入居されることになっています。何名入居者がいるか、どんな方が入居されるかによって業務内容も大きく変わってくるのがサービス付き高齢者向け住宅の特徴です。花の村にとって新しい事業でもあるのでスタッフのみなさんは苦労されているでしょうし、業務が安定するまではもう少し時間がかかると思われます。そんな現状ですが、確実に次の段階に向けて進んでいる実感があります。5月14日のキックオフミーティング以降、準備のために集まるたびに頻繁に行われていた話し合いの様子を見てきたからです。決まっていないことだらけなので話し合うのは当然のことかもしれませんが、姿勢も内容も前向きで頼もしく感じていました。

【成長段階】
組織には成長段階があると言われています。簡単に言うと「スタート期」「成長期」「発展期」「成熟期」の4つの段階です。そしてそれぞれの段階には特徴があり、必要なことも違っているそうです。例えば、スタート期はとにかくコミュニケーションの量が大切、成長期には量より質が大切、といった感じです。また、発展期には成功体験をもとに独自のルール作りが進んだり、成熟期には今までのことを総括し次の段階を探し始めたり、といった特徴もあるそうです。今のもりハウスは間違いなくスタート期です。毎日の出来事や業務のあり方について、話し合いを数多く重ねていくことが必要な段階です。コミュニケーションの量を増やすことによって業務の理解が進むだけでなく、スタッフ同士の理解も進んでいきます。オープン前から行われていた積極的な話し合いが今後も継続され、次の成長期に向かって進んでいき、そのことが入居者の安心につながっていくことを期待しています。

【現在地を確認する】
ちなみに組織の成長段階(発達段階)にはいろんな考え方があるようですが、要は自分達が今どの段階にいるのかを把握すること、その段階では何が必要かを理解すること、この2つが大切だと思います。もりハウスはスタート期(形成期)ですが、他の事業所は違う段階にいるはずです。現在地を確認するときに参考になる表があるので、今どこにいるのか、何が必要なのかを点検してみてください。

【視野を広げる】
「視野を広げる」ことについてずっと考えています。私たちの仕事は人と向き合う仕事で、介護や保育の専門的な知識は当然必要ですが、それに加えて様々なことに興味を持つことも必要です。人と人が関わるというのは非常に奥が深いことで、この知識さえ持っていれば大丈夫ということはありません。視野を広げて様々な興味を持っていることで会話が豊かになる、そんな経験をした人は多いはずです。視野を広げて自分には知らないことがたくさんあると自覚することは、自分とは違う他人を尊重する土台になります。そんなことから、花の村では「視野を広げる」ことを大切にしたいと考えています。

【猟師の話】
先日読んだ『猟師になりたい!』(北尾トロ)という本に印象的なことが書かれていました。北尾氏は猟師の仕事を取材するために狩猟免許を取得することになり、全く経験のなかった狩猟の世界に足を踏み入れた方です。全く知らなかった狩猟の世界に飛び込んだことで、それまではなんとなく山を見ていただけだったのが、どこに野鳥が生息しているか、どこからなら効率良く動物を狙うことができるか、そんなことを無意識のうちに探るようになり、山の見方が大きく変わったそうです。また害獣駆除の現状や課題、ジビエ料理の普及が害獣駆除をより進めていくための突破口になり得ることなど、自分を取り巻く生活全体の課題にも目を向けるようになったようです。

【出前講座を活用した勉強会】
猟を始めれば介護の質が上がるとか、そんな直接的な関係はありませんが、どこかでその経験が活きてくるはずです。今まで見えていなかった保育の課題に気づくこともあるかもしれません。何より新たな興味が出てくるのは楽しいことです。視野を広げることは仕事に活かされるだけでなく、自分にも返ってくるものがたくさんあります。そんなことから花の村でも「視野を広げる」きっかけとなる場作りを始めることにしました。江津市の出前講座を活用した勉強会です。研修委員会の提案を受け、あさりこども園のHさんが計画を進めてくれています。介護でも保育でもない勉強会になりますが、どこかでそれぞれの業務につながったり、個人の好奇心がくすぐられたり、そんな勉強会になっていくことを期待しています。詳細が決まり次第お知らせがあると思います。内容を聞いて興味を持った方はぜひ参加してみてください。