9/21『今も未来も変わらない』
21冊チャレンジの9冊目は『今も未来も変わらない』（長嶋有）。長嶋有さんはブルボン小林の名前でも活動されていて、そのブルボン小林さんが紹介されていた全1巻のストーリー漫画『カラオケ行こ！』があまりにもおもしろく、ブルボン小林さん自体に興味を持ち、同時に長嶋有さんの本も読んでみたくなったという流れ。ああ、ややこしい。
装丁がもろ婦人公論なのもおもしろい。一見何の本かわからない感じ。
定期的に登場する音楽が年代的にほぼど真ん中で楽しめた。読みながら頭に次々と音楽が流れる小説は初体験で、ストーリーに入り込みやすくなる仕掛けとして効果的に作用したと思う。登場人物の思考には「あーすごくわかる！」と共感できる部分が多かった。特に親が子どもに対して考えること。親としての模範的な考えではなく、親も人間なんだから当然そうも考えるよねといった自然な思考が描かれているように感じた。退屈な本なんじゃないかと読み出す前に少し思っていたけど、そんなことは全くなく、とてもおもしろかった。人間っておもしろいよなあと再確認できる本だった。
