園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

35/40『チルドレン』

40冊チャレンジの35冊目は『チルドレン』(伊坂幸太郎)。再読本はカウントしないつもりだったけど、この本だけは特別ということで。伊坂さんの本で一番好きなのがこの作品。

 

好きな一番の理由は陣内の存在。彼のキャラクターがとにかくいい。こんな人が近くにいたら絶対に大変だけど、この人柄に憧れてしまい、気づけば影響を受けてしまっていると思う。永瀬が5000円をもらったシーンなんかはたまらない。友達の永瀬は生まれつき目が見えなくて、そんな彼に対して哀れな者を見る顔でやってきてお金を手渡す人がよくいるという。このときも見知らぬおばさんが5000円を手渡してきて、それを知った陣内は永瀬に対して

 

「何で、おまえだけなんだよ!」

 

目が見えないからじゃないかなと答える永瀬に対して

 

「関係ないっつうの。ずるいじゃねえか」と喚いた。

 

こんな気持ちのいい人はいない。実際に会ったことはないし、ここまでの人はいないと思うけど、こんな風に人を見れたらいいのにといつも思う。これ以外にも素晴らしい?シーンはたくさんあるが、チルドレンの中で最も印象的なシーンがこれ。このキャラクターを生み出した伊坂さんはすごい。