園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

36/40『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』

40冊チャレンジの36冊目は『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』(木村泰子)。工藤勇一さんの本に木村さんの話が出てきたので読んでみた。

 

大空小学校で実践されてきた、たったひとつの約束「自分がされていやなことは人にしない、言わない」、見えない学力で大切な4つの力「人を大切にする力」「自分の考えを持つ力」「自分を表現する力」「チャレンジする力」が主な内容で、これは絶対に大切なこと。それぞれの意味についての説明、それを実現するための具体的な実践だったり態度だったりが分かりやすく説明されているので、これらのワードに関心がある人は読んでみた方がいいと思う。幼児教育にも通じる話なので広くおすすめしたい。

 

読んでいて気になったこと。

「廊下を走らない子」ではなく「人とぶつからないで歩ける子」を育てる、という項目がいきなり出てきたこと。こんな話が未だに出てくることに正直驚いた。驚いたのは今でもこんな学校が多くあるという事実に対して。手段が目的となっていて、そのことについて議論が起こっていない状態が続いているんだろうけど、これはまだ続くんだろうかと心配になる。

そしてこれはいいなと思ったこと。

10年後はどんな社会になっているかを想像して出てきたのが「多様性」「共生」「想定外」とあった。最近やたらと耳にするVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)ではなく「想定外」を使っているのは馴染みやすい。どうでもいいことだけど、VUCAという言葉がどうも馴染みにくい、別にその言葉を使わなくてもいいんじゃないかと何となく思っている人は少なくない気がする。この本の内容が気になったのではなく、ここで使われている言葉の方がよかったという話。

 

大空小学校のことが舞台の映画『みんなの学校』を観たくなったけど、近くで上映しているところがないのが残念。上映会をやるという方法もあるんだけど、あれはそれなりに大変だったから悩むところ。以前やったのは2014年の映画『うまれる』の上映会。

 

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初めてのことだったので失敗が多くあったが、それを踏まえて改善するだけなので検討してみてもいいかもしれない。

 

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