園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

39/40『マイパブリックとグランドレベル』

40冊チャレンジの39冊目は『マイパブリックとグランドレベル ─今日からはじめるまちづくり』(田中元子)。未だに見つけられていないが、広島の夫婦がこの本に刺激を受けコーヒーをふるまい始めたという記事を読み、いったいどんなことが書かれている本なのかと気になっていた。マイパブリックとは何か。グランドレベルとは何か。コーヒーをふるまうこととどんな関係があるのか。

お店や屋台を始めたい人がそれを実現する話…と思いながら読み進めていると、その理解が間違っていたことに気づかされる。マイパブリックの考え方もだけど、グランドレベルがどうデザインされているかをここまで考えたことがなかったから、とてもいい気づきをもらえた。からまりしろ、かかわりしろ、つながりしろといった言葉もすごくいい。

これなんかもすごくいい。

「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の3つが実現できれば、「自己への執着」を「他者への関心」に変えることができると、アドラーは説いている。そして、その先に他者を仲間とみなし、「自分の居場所がある」と感じられるようになると。これはそのまま「まち」に変換することができる。つまり、幸福のまちには、あまねく人々が「自分の居場所がある」と感じられる。これはマストなのだ。

一度読むだけでは消化しきれないので、繰り返し読んでみようと思う。そう思わされるくらい響いてくるものが多い本だった。一階のこと、入口のこと、ベンチのこと、自分の周りのことを見直してみよう、もっと観察してみよう、何か始めてみようと思ってしまう本で、これはどんな人にもおすすめ。