園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2022年1月

【小規模の写真】
小規模多機能型居宅介護合歓の丘で、外出した際に利用者さんが撮った写真を使って活動記録を作り、それを利用者さんにプレゼントする取り組みが始まったと聞きました。今までは利用者さんが撮った写真はその方が見て楽しむだけだったんですが、今度からは活用させてもらうことにしたわけです。今回の写真の再活用は、利用者さんの「もっと写真を撮りたい」という意欲の向上につながるでしょう。すごくいい取り組みだと思いました。写真に限らず今やっている活動を他の活動に活かすことを考えていくと、おもしろい取り組みを見つけることもできそうです。

【あさりの写真】
写真と言えば、あさりこども園の保護者が企画した取り組みで、「子どもが好きなもの」の写真を各家庭で撮って送ってもらい、その写真に説明をつけたものをパレットごうつに掲示する準備が進んでいます。子育ては親だけで行うものではなく、多くの人に子どもや子育てに関心を持って関わってもらうことが本来のあり方です。そこに向けての第一歩として、多くの人に今の子どもがどんなものを好きなのかを知ってもらい、子どもの世界を楽しんでもらおうという趣旨です。少し準備が大変な写真の活用方法ですが、子どものことが理解しやすくなる楽しい展示になるはずです。

【江津東のワタゲツルハナグルマ】
江津東放課後児童クラブから「ワタゲツルハナグルマ(綿毛蔓花車)を育てたい事業所があれば、児童クラブの花壇にある株を分けますよ」と嬉しい提案がありました。今後法人として花を意識して増やしていこうと考えていることもありますが、持っている資源(モノ)を共有したいと考えてくれたことが嬉しいです。どの事業所も持っている資源には限りがあります。欲しいものを全て揃えることもできません。そんな状況なので、資源を共有し合ってやっていくしかありません。モノだけでなく情報も含めた資源を法人内で積極的に共有し、事業所の活動に活かしていきましょう。

【ベンチを設置したい】
朝礼で何度か話していることですが、施設周辺にベンチを設置したいと考えています。それはベンチの力を再評価したからです。株式会社グランドレベルの田中元子さんは、ベンチには4つの効用があると言っています。①歩行距離が延びる ②滞在時間が長くなる ③経済効果 ④健康度・幸福度が上がる、この4つです。休める場所があることで移動距離を延ばせるのは分かりやすい効用で、①はすぐに理解できました。おもしろいのは②と④の効用です。

滞在時間が長くなる、つまり人が長く留まることで人と出会いやすくなり、会話も増え、それが健康度や幸福度の向上につながるということです。この点に注目したことはなかったのですが、よく考えれば「たしかに!」という話です。ベンチが増えることで花の村に関わる人の会話や交流が増え、そのことが健康や幸福につながっていくなら言うことはありません。地域の人にも使ってもらえるようなベンチを設置できれば、交流はさらに広がるはずです。ベンチについてそんなことを考えています。

【活性化とは?】
理念について考えさせられることがありました(アメリカのテスラという会社のあり方から考えたことで、別でまとめているのでここでは省略します)。

meg-ai.hatenablog.com

様々な事業を通じて地域を活性化するのが花の村の理念で、様々な事業のあり方は「ひとりを大切にする」ことを軸にいろんな形があっていいと思っています。だからこそ「地域の活性化」とはどんな状態を指すのかを分かりやすい状態にしておく必要があると考えていました。目指すものが分からなければ、事業のあり方や新しい取り組みは考えにくいからです。

例えば、人が増えて賑やかになったり経済的に豊かになったりすることも「活性化」と言えます。ですがそれを最優先するのはこの地域に少し合わないと思いますし、それよりも”楽しい”や"おもしろい"が少しでも増えることを「活性化」と考える方がしっくりきます。一人ひとりを支援する事業によって生活がスムーズになってきた、この地域での生活が楽しいものになってきた、様々な取り組みによっておもしろいことが増えた、そんな風に感じてもらえるようにしたいと思っています。それを「活性化」と考え、今の事業を点検してみてください。

【衝撃的だった本】
上でも書いている株式会社グランドレベルの田中元子さんが書かれた本『マイパブリックとグランドレベル』がかなり衝撃的でした。昨年読んだ本の中で最も勉強になりました。自分のオフィスにバーを作って飲み物を提供したり、屋台を作って街中でコーヒーを振る舞ってきた田中さん。しかもどちらも無料での提供です。社会の中にある公共が使いにくいので、新たな公共、マイパブリックを自分で作ろうと動いてきたこと。そこで気づいたのが、街を豊かにするためにはビルの1階部分、つまりグランドレベルを公共として開いていくべきだということ。そんなワクワクする考えがたくさん詰まっている本です。江津市においても参考になることが多い本でおすすめです。

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