園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

09/50『コモリくん、ニホン語に出会う』

50冊チャレンジの9冊目は『コモリくん、ニホン語に出会う』(小森陽一)。ずいぶん前にラジオ番組で紹介されていたこの本を突然思い出して読んでみました。

ほとんどの人が無意識のうちに言葉を獲得していくわけだが、小森さんはその過程をしっかりと認識していたというのがまずおもしろいことです。しかも思春期に。周囲に対して過剰なくらい批判的になってもおかしくないところを、小森さんはその体験の中で言葉を獲得し、その後国語の教師にもなられたというのはかなり珍しいケースだと思います。そんな小森さんが行った授業のライブが載っている終盤は、かなりエキサイティングな内容です。特殊な言語獲得過程を体験した小森さんと、そうではない教員との授業の捉え方の微妙な違いが興味深いものです。学校教育の課題(闇といってもいいかもしれない)が表れているように感じたりもしました。ヨシタケシンスケさんのカバーイラストのイメージから柔らかい内容だと勝手に思っていましたが、柔らかい部分もあり、ハードな部分もありな、メリハリの効いた本です。