園長のひとりごと

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“顔” ヒトをつなぐ心の窓

ヒューマニエンス 40億年のたくらみ「“顔” ヒトをつなぐ心の窓」をみました。

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◯0.2〜0.5秒間に表れる微表情が人間らしさの極みである。

チンパンジーやゴリラは20cmくらい近づいてコミュニケーションをとるが、人は50cm〜1mの距離でコミュニケーションをとる。人には白目があるため微細な目の動きがわかるので、少し離れていても視線がどこを向いているかわかるのでそのコミュニケーションが可能となっている。しかも距離をとることで表情全体が見えるので、感情を細かく表現するための表情筋が発達した。

◯メールやLINEなどの文字だけしかなければ、人の感情は細かく伝わり切らない。表情に依存してる言語だからこそ絵文字や顔文字が発達した。

◯人は脳の中に持っている平均顔とのズレを認識し、そのズレを強調した顔を他者の顔として記憶している。

 

平均顔とのズレを強調することで他者の顔を認識しているというのもおもしろいです。特徴を強調して描く似顔絵のようなイメージです。NHKの時事公論のサイトにも似顔絵が使われています。

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動物好きの人は個々の顔を見分けられたりするのも、たくさん見ることで脳の中に平均顔ができ、そのことで微妙なズレを認識できるんでしょう。鳥好きの人が鳥の種類をすぐに当てたりする人や植物に詳しい人とかも、脳にある平均からのズレを認識していると想像します。すごい話です。少し違う話ですが、赤ちゃんは人だけでなくサルの個体も識別できるようです。赤ちゃんは多くの顔をまだ見ていない=平均顔ができあがっていないはずなので、平均からのズレではなく、ずばり個体そのものを識別していると思われます。そう考えると赤ちゃんはすごいですね。

日本人は目で表情を表現することが多いのでマスクをしていてもある程度は読み取れるようです。とはいってもマスク有りと無しでは顔から受け取る情報量は違うはずです。顔全体の表情筋があるということは目の周辺だけでは補えないものがあるはずで、だからこそマスク有りのコミュニケーションが続いている現状はいいとは思えません。そして子どもにとってはその影響はこれから出てくると思われます。多くの人との表情筋を使ったコミュニケーションを、子どもたちが当たり前のように体験できる状態に向かう道筋を少しでも早く示すべきですね。もしも幼少期のマスクを推奨するのであれば、表情を読み取れない分を言葉で補うことを具体的に示すなど、何が足りていなくてどう補えばいいかを明らかにすべきです。それをせずに単にマスク着用をというのは、あまりにも子どもの育ちやそのために必要な環境について軽く考えすぎだと思います。