園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

常に新たな学びがある

『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』の「第12章 荒木雅博 内面に生まれたもの」にはこんな文章が。

 

「今さ、本を読んでいて、いい言葉を見つけたんだ」

荒木は大抵、こちらの問いを待たずに話し始めた。

千利休の言葉でさ、一より習い十を知り、十からかえるもとのその一っていうのがあるんだ。これ、今の俺にぴったりだと思わないか?」

自分に言い聞かせるような口調だった。エラーを犯した夜、ひとり眠れず葛藤しているのがわかった。

「監督はさ……、心は技術で補えるって言うんだよ。不安になるってことは技術が足りないんだって……。それはつまり、俺にもとの一に戻れって言っているのかな?」

 

一から十と進み、また一に戻ったとき、それは最初の一とは違っています。繰り返すのは同じことをするという意味ではなく、常に新たな学びが行われるという意味です。荒木雅博さんのこの気づきは、落合さんのもとで一から十までやってみたから、そして自分でまた一に戻ってきたから気づけたことであるはずです。

少しの言葉と態度で示した落合さんも、自分でそこにたどり着いた荒木さんも、もちろん千利休さんも、とても深いです。

本にも登場した荒木さんのスライディングの動画がこれ。荒木さんの心境を知ってからみると、なんだかものすごいスライディングに見えます。実際すごいスライディングだけど、重みを感じます。

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