園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

17/50『いのちの車窓から』

50冊チャレンジの17冊目は『いのちの車窓から』(星野源)。実は星野源さんのことをほとんど知りません。名前は知っているし歌を歌っているのも知っていますが、どんな人なのかイメージを持つまでに至っていない人です。そんな星野さんがラジオで話しているのを聞き、自分のことをすごく正直に話す人だなと感じ、聞き入ってしまい星野さんに興味を持ちました。そこで星野さんが紹介していた『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』を読んでみることにしました。紹介された本を読めば、星野さんの内面が少しは分かるのではないかと思ったからです。結果的に落合さんの本を大いに楽しませてもらい、星野さんい対する興味がさらに高まったので、今度は星野さんの本を読んでみることにしたわけです。

 

本を読んでみて、やはりすごく正直な人だと思いました。自分の思いをシンプルな言葉で表現してあるので、見事にこちらに届いてきます。シンプルな文であることについて、こんな風に書かれていました。

伝達欲というものが人間にはあり、その欲の中にはいろんな要素が含まれます。こと文章においては「これを伝えることによって、こう思われたい」という自己承認欲求に基づいたエゴやナルシシズムの過剰提供が生まれやすく、音楽もそうですが、表現や伝えたいという想いには不純物が付きまといます。それらと戦い、限りなく削ぎ落とすことは素人には難しく、プロ中のプロにしかできないことなんだと、いろんな本を読むようになった今、思うようになりました。

星野さんもエゴを削ぎ落とす作業をしているということになりますが、エゴがあるなんて別に書かなくてもいいと思うんです。でも自分にはエゴがあると言い、そのエゴを削ぎ落としたいと言っている、そんな正直さが読んでいてとても心地いいです。

新垣結衣という人」という章があります。褒めるのが好きな星野さんが、褒められるのが苦手な新垣さんのことを、こっそり本の中で褒めています。読んでいて恥ずかしくなるくらい、ものすごくやさしくストレートな言葉で褒めています。やっぱり正直な方です。星野さんがここまで褒めている新垣さんの本も読みたくなったんですが、どうやら本は出していないようですね。残念です。