園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

21/50『おばちゃんたちのいるところ-Where The Wild Ladies Are』

50冊チャレンジの21冊目は『おばちゃんたちのいるところ-Where The Wild Ladies Are』(松田青子)。この本は書評家の倉本さおりさんが推薦していた本だったと思われます。どんな紹介だったかは覚えてないですが、すごく楽しそうに話されていた記憶だけがあります。確かその時は他にも何冊も紹介されていて、書評家さんはいったいどれだけの本を読んでいるんだろうと、その仕事にも興味が湧いたことも思い出しました。

本の内容も当然紹介されていたはずですが記憶がなく、タイトルから関西のおばちゃんの特徴を描いたものくらいに考えていたんですが違ってました。おばちゃんは登場するけど、「接待のような思考回路が停止したことはしない」とか「ブルマを私にはかせた日本の教育を決して許すことはないでしょう」とか「女たちは小さな頃からずっと、その天井が見えてたの」とか、社会が女性に対して押し付けてきたものを明らかにしてくれています。そしてそれがどこか軽やかに描かれているため、よりその重さが伝わってくる気がします。

この本の前に読んだ『コンビニ人間』もそうでしたが、こうした内容がどんどん描かれるようになっているのはいい傾向なんでしょう。これも2016年に書かれたものなので、その当時に読んでおくべきでした。著者が置かれている現状から文章が生まれているので、その時代に読んでおく方がいいんでしょう。分かってはいるんですが、過去の本の中にも読みたいものがあるので、今の本だけを追いかけるのは少し難しいです。残念ですが仕方ありません。