63/70『22世紀の民主主義』
70冊チャレンジの63冊目は『22世紀の民主主義』(成田悠輔)。かけているメガネもユニークで惹かれるし、表紙に書かれている「言っちゃいけないことはたいてい正しい」には共感しかありません。
(被)選挙権や選挙制度を変えたければ選挙(投票)が必要で、選挙に勝ったものしか選挙制度を変えることはできない。既存の選挙制度で勝つことで今の地位を築いた現職政治家がなぜこうした改革を行いたい気分になれるのか、無理そうな匂いがプンプンするからだ。
と選挙改革は諦めているけど、その代わりに選挙が必要のない社会にするための新たな仕組みは作れるはずだと提案しています。
現代でも、どこかの自治体に大量移住して住民の過半数を握れば、その自治体の選挙を支配できる。千代田区の区長選ですら最新の当選者(2021年)の得票数は9534票である*5。一万人を移住させられれば首都の重要区の区長選ですらジャックできる。一万人が選挙遊牧民として団結すれば、各地の首長選を順に乗っ取って最年少首長を大量に誕生させることさえできる。
この案もおもしろいです。
課題と感じていることは同じでもその解決のためのアプローチが全然違っていて、論露的に考えて効果のある方法を選択しようよと進めてくれています。別に選挙制度を変えたいわけではないけど、気づけばその課題が課題ではなくなっていたと変化させていく方法はいろんな分野でもあるんじゃないか、そんなことを考えさせられた本でした。