園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2022年12月

【ものの見方】
ものの見方について考えることが増えました。虹の見え方が日本と東南アジアでは違っているという話を聞いたからです。見え方の違いは色を表す言葉の数の違いによるもので、日本では7色ですが、インドネシアでは4色、台湾では3色に見えるそうです。まっすぐそのままに見ているようで、実は知識や思い込みで見ているのが私たちのものの見方だという話でした。

思い込みに見方が左右される例はいろいろあります。例えば有名なところでは「婦人と老女の絵」。1枚の絵なのに若い女性に見える人がいたり、年老いた女性に見える人がいたりします。描かれているのは若い女性だと思ってしまうと、年老いた女性を見つけるのがとても困難になります。探し物をしていて、近くにあるのにいくら探しても全然見つからないということもよくあります。「ここにはない」と思い込んでいることで、実は見えているのに認識できなくなってしまいます。思い込みは観察を簡単に邪魔してしまいます。

これらのことから考えたいのは、「私たちのものの見方は思い込みによって左右されてしまう」と自覚し、自分の見方を点検し続けることが大切だということです。子どもをまっすぐに見ることができているだろうか、利用者さんをまっすぐに見ることができているだろうかと、自分の見方を常に点検をすることしか思い込みから離れる方法はありません。ものの見方に限らず、自分の声かけや関わり方を点検することも、私たち福祉の仕事に関わる者は忘れてはいけません。

【価値観の点検】
価値観の点検についても同じです。先日、同性婚を認めないのは違憲であるとの判決が出ました。時代の変化とともに価値観も変化していることに敏感になり、自分の価値観もアップデートしていくことが大切です。以前は問題なかったけど、現在の価値観では問題だということが、まだたくさん放置されています。

例えば個人的に注目しているのはサザエさんの今後です。サザエさんは昭和の家庭を描いたほのぼのとしたマンガではあるけど、日曜の夜に子どもも含めた多くの人が見る時間帯に放送するものとしては、現在では内容に問題が多いです。食事は女性が作り男性はそれを待つだけといった感じで、性別による役割分担があまりにも固定的だからです。2023年には放送がなくなるか、昭和を描く時代マンガとして子どもが見ない別の時間帯に移るか、何かしらの動きがあるだろうと予想しています。

【学び続ける】
大人になっても学び続けることの必要性があちこちで叫ばれています。学びといっても新しい知識を得たりスキルを身につけたりするだけでなく、時代に合わせて価値観を変えていくことも大切な学びです。人と関わることで相手の人生に大きく影響を与える私たちの仕事は、常に人権感覚をアップデートすることが求められます。新しい年になっても全員で学び続けていきたいことです。

【基本的な感染対策と】
この冬はインフルエンザの大流行にも注意が必要と言われています。基本的な感染対策をしっかりと行っていきましょう。体調に変化があれば無理をしないことも更に定着させていきましょう。