園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

「sameness(同じ)」と「relationship(つながり)」はしんどくないですか?

アメリカの教室に入ってみた』 赤木和重著

本のタイトルの通り、実際にアメリカの教室に入ってみてどんな教育が行われているか、どんな特徴があるか、日本との特徴とどんな点が違っているかといったことを分かりやすく説明してくれています。アメリカの教室と行ってもニューヨーク州の一部なのでアメリカの全てが分かるわけではありませんが、アメリカでも日本でも行われているインクルーシブ教育について再考するきっかけとなる事例は多く紹介されています。

アメリカは「difference(違い)」と「individual(個々)」が、日本は「sameness(同じ)」と「relationship(つながり)」がそれぞれ前提となってインクルーシブ教育が作られているが、それだとしんどくないですか?と問題提起されています。実際に著者の娘さんが通ったThe New Schoolでは「difference(違い)」と「relationship(つながり)」が重視されていて、読んでいてもこちらの方が心地よく感じます。これからの教育のあり方を再確認している最中に読んだこともあって、参考になることが多かったです。

それ以外にもこんな文にも考えさせられました。

若者の子育て意識を高めようと、高校生に対し「赤ちゃんふれあい体験」なる活動が盛んなのに、いざ当事者が赤ちゃんを産むと、高校から(結果として)その当事者を排除しようとするわけですから。

本を読む、実際に見るなど、学び続けて、今の自分の知識で分かった気にならず、アップデートを続けることが大事ですね。