園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

みんなの前でほめないで?

衝撃的なタイトルに惹かれて読んでみました。

『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』金間大介著

これまた衝撃的な内容で、最初から最後まで「嘘でしょ?」となっていました。次の内容なんかは驚きしかないんですが、心当たりがないわけでもないです。

ものごとが決められない現在の若者たちは、その代わりに究極のしてもらい上手だと筆者は感じる。若者における、その主導権逆転の手順をここに公開する(社会人の皆さん、ここは必見です)。

①まずは意欲を見せる。がんばりたいです、と言う。
②同時に、素直でまじめな若者オーラを放つ。
③それ以外の余計な言葉は発しない。
④それ以外の余計な行動もしない。
⑤ついでに、本当はしたほうが良いと思われる行動もしない。例えば、決して質問したりしてはいけない。
⑥「これわかる?」「ならったことある?」と聞いてきたら、再びここぞとばかりに②のオーラを全開に放つ。ここまで来れば、8割方勝利したも同然。
⑦ただし、ここで「はい」とも「いいえ」とも答えてはいけない。リアクションは大人が最も求めるものだ。決して安易に与えてはいけない。
⑧以降、とにかく②〜⑦をランダムに繰り出す。要するに、素直でまじめないい子オーラを放つ以外、何もしない。
⑨時折、疲れた顔や難しい顔を見せる。
⑩ゴール!試合終了、これで大人は全部やってくれます。

 

もちろんこの本に書かれていることが全てではないはずで、そうではない若者もたくさんいるはずです。でもこのような傾向があるのも事実であると受け止める必要はあります。そんな時代だからこそ『アメリカの教室に入ってみた』で紹介されていたThe New Schoolのインクルーシブ教育の考え方、「difference(違い)」と「relationship(つながり)」を前提とした教育の場に早い時期から身を置けるようにしたほうがいいというのが私の考えです。