園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

2023年6月

【行動・気づき・受容】
5月には今年度1回目の新人研修を行い、花の村の仕事は変化し続けることが大前提であると話しました。これまでの新人研修でも同じように話していますし、今後も同じことを言い続けるつもりです。今やっていることに問題があるという意味ではなく、今後も事業を継続していくことを考えると、たとえ今はうまくいっていることでも周りの変化に合わせて変えていく必要があるという意味です。利用者や地域から必要とされるサービスを実施し続けるためには、求められることをその都度確認し、その変化に合わせてこちらも変えていくことが必要です。

難しいのは「どう変えていけばいいか」ということ。こうすれば正解といった答えがないため、変えるために何をすればいいかをどう探していくか悩んでしまうはずです。そんな時は「行動」「気づき」「受容」の3つを考えてみてください。

まず「行動」について。これが最も大切なことで、行動を起こせば起こすほど何をすればいいかを見つけるチャンスは増えます。打席に多く立った方がヒットを打てる確率が上がるのと同じです。失敗は大歓迎だと話しているのも、失敗を怖れず行動の量を増やしてほしいという思いがあるからです。

次に「気づき」について。行動し続けておもしろいことに出会ったとしても、それに気づかなければ意味がありません。何が今の課題なのか、その課題を解決するためにはどんなことが求められているのか、そのことを意識した上で注意深く物事を見ていれば、気づく感度は上がっていきます。

そして最後に「受容」について。これを自分たちの事業に取り入れたらおもしろい変化があるかもと気づいたら、それを受け入れてみることが大切です。業務改善につながるかもしれない、自分の成長にも繋がるかもしれない、そう思うものを見つけたとしても拒絶したらそこでおしまいです。自らチャンスを放棄することになります。積極的に受け入れることが最後のポイントになります。

この「行動」「気づき」「受容」は、セレンディピティ(偶然の幸運に出会うこと)を高めるために必要だと言われていることです。運任せにするつもりはないですが、何に出会えるかは間違いなくこの3つの量に左右されます。これからの花の村を作っていくために、まずは失敗を怖れずいろんなことを試す行動を大切にしていきましょう。

 

【尾浜だよりとハナハナ新聞】
年2回発行されている尾浜地区の広報紙「尾浜だより」が花の村にも届きます。この広報紙はとてもおもしろく、毎回じっくりと読んでいます。実はハナハナ新聞をリニューアルする際に、この広報紙の内容を参考にさせてもらいました。単に尾浜地区の出来事をお知らせするだけでなく、そこにどんな人がどんな思いで住んでいるかが伝わってくる内容になっています。

今回は「尾浜の春一番」というコーナーがあり、ウグイスの初音が昨年より7日遅かったとか、ツバメの飛来が昨年より29日早かったとか、地域の季節の移り変わりを楽しんでもらおうと意識的に観察していないと書けない内容が載っていて、この広報紙にかける思いが伝わってきます。

読んでいて気づいたんですが、地域の広報紙がおもしろいかどうかは文章のうまさも関係するでしょうが、それ以上にその地域で魅力的な活動が行われているかどうか、伝えたい思いが強いかどうかが大きく関係しているということです。地域の課題を自分たちで何とかしよう、自分たちの地域に楽しみを生み出そう、地域のことをいろんな人に知ってもらおう、そんなことをみんなで考えて行動している地域の広報紙だからこそ、魅力がたくさんあるんじゃないかと思っています。

尾浜地区の思いを伝えて関心を持ってもらうのが「尾浜だより」なら、花の村に関心を持ってもらうツールがハナハナ新聞です。各事業所が取り組んでいることの思いや関わってくれている地域の人を紹介することで、花の村や事業を行っている地域に対する関心が深まっていくことを目指してくれています。9月発行分の内容もおもいしろいものが出来上がってきていると聞いています。ハナハナ新聞を楽しんで読んでくれる人が少しずつでもいいので増えることを期待しています。

 

【できることが増えています】
デイサービスセンター合歓の郷のテーブルが向き合って座る以前の形に戻りました。事業所間の交流も少しずつ再開されています。そこでの表情を見ていると、感染対策が大切なのと同じくらい、関わり合うことも大切だと思い知らされます。何も分からなかった3年前と比べると、できることが確実に増えてきてホッとしています。