園長のひとりごと

こども園、福祉全般、寺院関係、走ること、食べること、いろいろと。

ベンチ作りがスタートしました

私たちの施設の敷地内に設置するベンチ作りがスタートしました。作ってくれるのは江津工業建築科の生徒さんです。毎週金曜日の午後がその活動時間で、年末に向けて少しずつ作業を進めていくことになる予定です。私たちが関わったり、生徒だけで設計や製作を行ったりしながら進んでいくことになりますが、ここでは私たちも関わって一緒に取り組むことについて記録していきます。

第1回は6月17日。江津工業におじゃまして、なぜベンチが必要なのか、どんなベンチがほしいのかを生徒に説明しました。『マイパブリックとグランドレベル』を読んでベンチに対する関心が高まり、施設の敷地内にたくさんのベンチを設置することで高齢者の歩く距離を延ばせるんじゃないか、ベンチに滞在することでより関わりが生まれやすい状態を作れるんじゃないかと考えるようになり、そんな思いを話してきました。

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そして第2回は6月24日。現地に来てもらい、実際に高齢者がイスに座る動きを撮影したり、ベンチを置くことになる敷地内の測量を行ったりと、自分たちだけでは絶対にできなかった取り組みが行われました。

今後は測量の続き、そして現地でとったデータを元に生徒が作成した設計図をプレゼンしてもらう回が予定されています。

あくまでも授業の一環で作っていくのでそれなりに時間はかかるでしょうが、おもしろい取り組みになると思っています。自分たちが作ったベンチを設置したことで高齢者の動きが変わったと高校生に実感してもらいたいと思っていて、なので作っておしまいではなく高齢者の動きがどう変わったかをデータにして返すところまでやるつもりです。

こうやって高齢者が使う物を作る仕事も、広い意味では介護の仕事と言っていいはずです。介護に限らず多くの仕事は、直接関わる人だけで行うわけでなく、様々な役割を持った人がいることで成り立っています。介護でいうと食事を作る人、その食材を作る人、施設を作る人、整備する人、備品を作る人など、様々な人が関わって行われています。

ものづくりを仕事にしていくであろう江津工業の生徒が間接的に介護に関わる体験をしてもらうことは、介護に関わる人の裾野を広げることにもつながります。直接関わらなくても関心を持っておいてもらうこと、そんな人を増やすことが、今後も福祉にとって必要なことなんだろうと思っています。なので関心を持ってもらうきっかけ作りはこれからも積極的におこなっていくつもりです。